借金の相続について
人が死亡すると、その人(被相続人)のプラスの財産とともに借金などのマイナスの財産も相続されます。 相続人が相続による借金負担を免れるためには、相続放棄や限定承認の手続きをする必要があります。
[相続放棄]
相続放棄をすると、被相続人が負担していた借金を相続しなくてもすみます。もっとも、プラスの財産も相続できなくなるので、相続放棄をする際には被相続人の相続財産を十分に調査しましょう。
相続放棄は、相続開始を知ったとき(通常は被相続人の死亡を知ったとき)から3ヶ月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所に申述をして行います。
相続放棄の申述をする際に必要な書類は以下のとおりです(2008年11月現在)。ただし、家庭裁判所によって異なる場合があるので、申述をする予定の家庭裁判所に事前に確認しておきましょう。
1.相続放棄申述書(用紙は家庭裁判所に備付)
2.申述人(相続人)の戸籍謄本
3.被相続人の戸籍(除籍)謄本
4.被相続人の住民票の除票
5.収入印紙(申述人ごとに800円)
6.予納郵便切手(800円分程度)
なお、3ヶ月の期間内に相続財産の調査が未了のような場合には、裁判所に申し立てて期間を延長してもらうこともできます。また、3ヶ月の期間が経過した後も事情によっては相続放棄が認められる場合があります。資料収集なども含め、相続放棄手続を弁護士に代理人として行ってもらうことも可能なので、相談してみるとよいでしょう。
相続放棄に関して注意したい点としては、相続人が相続財産の全部又は一部を処分した場合には、相続について単純承認したものとみなされ、相続放棄や限定承認ができなくなるということです。もっとも、社会的にみて相当な範囲内での葬儀費用などの支出は、一般に、処分にあたらないとされています。
[限定承認]
相続財産のうち、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を承継するという条件で相続をするのが限定承認です。相続財産を清算した結果、借金などの債務の方が多かった場合には足りない分は弁済する必要はなく、債務の方が少なかった場合には余った財産を取得することができます。
限定承認は、相続放棄者を除く相続人全員が共同して行わなければならず、もし相続人の中で単純承認をした人が一人でもいる場合には、限定承認はできなくなります。
限定承認の手続きは、相続開始を知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に限定承認申述をして行います。限定承認手続では、相続財産管理人の選任や財産目録の作成、公告手続や債権者への弁済などの手続きを行う必要があり、手続きが複雑で面倒ということもあって、利用するのが躊躇される場合が多いようです。